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第十七章 あの日のデパートへ

مؤلف: 神夜 紗希
last update تاريخ النشر: 2026-01-27 13:09:55

翌日の土曜日の午後。

冬の柔らかい陽射しが駅前広場を照らしていた。

空には雲もなく風もない。

空気の冷たさは肌で感じるが、

ぽかぽかと気持ちの良い天気だ。

もうすぐクリスマス。

地元の駅前を見渡すと、今年はサンタとトナカイのイルミネーションが増えていた。

(1年、あっという間だなぁ。もう今年が終わるんだ……)

駅前のイルミネーションをぼんやり見ながら、

美咲は物思いにふける。

クリスマスは好きなイベントだが、

終わればすぐにカウントダウンが来ると思うと、

なんだか複雑な気持ちになる。

(あ、でも冬の連休は嬉しい……)

駅前広場を一周ぐるりと回ると、

空いているベンチに腰掛けた。

スマホを取り出し、カレンダーアプリのスケジュール画面を開く。

連休期間を確認しながら、ここ最近の週末の日にちをタップする。

⚪︎日、悠とモール

△日、悠と水族館

◻︎日、悠と自然公園

思わずニヤニヤしてしまう。

(ちょっとペース早いかな……。悠もノってくれるから、予定バンバン入れちゃった)

まだ悠と「正式に付き合っている」わけではない。

だからこそ、いちばん浮かれてしまう時期だった。

(落ち着こ! 浮かれない
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    翌日の土曜日の午後。冬の柔らかい陽射しが駅前広場を照らしていた。空には雲もなく風もない。空気の冷たさは肌で感じるが、ぽかぽかと気持ちの良い天気だ。もうすぐクリスマス。地元の駅前を見渡すと、今年はサンタとトナカイのイルミネーションが増えていた。(1年、あっという間だなぁ。もう今年が終わるんだ……)駅前のイルミネーションをぼんやり見ながら、美咲は物思いにふける。クリスマスは好きなイベントだが、終わればすぐにカウントダウンが来ると思うと、なんだか複雑な気持ちになる。(あ、でも冬の連休は嬉しい……)駅前広場を一周ぐるりと回ると、空いているベンチに腰掛けた。スマホを取り出し、カレンダーアプリのスケジュール画面を開く。連休期間を確認しながら、ここ最近の週末の日にちをタップする。⚪︎日、悠とモール△日、悠と水族館◻︎日、悠と自然公園思わずニヤニヤしてしまう。(ちょっとペース早いかな……。悠もノってくれるから、予定バンバン入れちゃった)まだ悠と「正式に付き合っている」わけではない。だからこそ、いちばん浮かれてしまう時期だった。(落ち着こ! 浮かれない! 良い大人でしょ!)自分の両頬をペシペシと叩いて、心の中で言い聞かせる。頬を叩く振動で、美咲は目をぎゅっと閉じた。ひゅっと冷たい風が、美咲の髪を揺らす。叩く手を止めて、ゆっくり目を開き、はぁっと白い息を吐いた。白い息が空に向かって消えていくのを見上げる。(……浮かれないなんて無理。……悠と連休も遊べたら良いなぁ……)スマホで時計を確認する。約束の10分前に駅前へ到着していた。ちょうどいい電車がそれしかなかった。田舎の駅前には、喫茶店もコンビニもない。手袋を嵌めた手を擦り合わせながら、悠を待つ。(悠、ちゃんと暖かい格好してくるかな……)はぁっ……と、また白い息を浮かばせる。少しの緊張と、少しの嬉しさで胸が高鳴る。美咲は、この時間が好きだった。好きな人が、自分のもとへ駆け寄ってくる、その瞬間が。(あ! あたし最後にリップ塗ったのいつだっけ?)わたわたとカバンを漁り、色付きリップを取り出した、その時――。「美咲ーー!!」遠くから、手を振りながら悠が駆けてくる。息を弾ませ、頬を赤くして。美咲の心臓がドキンと跳ねる。(うぅ……イケメンって……ずるい

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    催事場広場の中心――黒い“穴”のように見える場所の前で、二人は立ち止まった。空気は水中のように重く、キンッ…と冷たく張り詰めている。静寂の中、鼓動の音だけが身体の内側で響いていた。黒い“穴”には、柳瀬の影が立ち尽くしていた。七不思議の怪異の際に姿を見せていた影。美咲はゆっくり息を吸い、小さく囁くように呼んだ。「……柳瀬 透」その瞬間、闇より深い黒い影が⸻どくん、と脈打つように震えた。黒い影がゆらりと動いた。闇から人の形が搾り出されるように浮き上がり、やがて“人の輪郭”としてそこに立った。うつむいた長身の男。黒く濁った目。力なく震える指先。柳瀬の喉の奥から、何か

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